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2005/06/27

タイガー&ドラゴン「品川心中」の回

最終回前ということで、衝撃の展開。今回は虎児の話と竜二の話がダブル進行でした。


品川の遊郭にお染という花魁がいた。若い頃はたいそうはぶりが良かったが、年をとってきて段々と人気も衰えてきてしまった。
馴染みの客の足が遠のき、「紋日」が近いと言うのにそのお金を用意できない。
(「紋日」とは、節句の日など、特別な行事が行われる日。この話の場合は「移り代え:衣替え」のこと。花魁が移り代えをするときには、一席設けてその披露をしなければならず、その費用は花魁自身が負担しなければならなかったそうです。)
なんとかしようと馴染みの客にせっせと手紙を出すが、返事ははかばかしくない。
そのためついに、「こんな思いをするくらいならいっそ死んでしまいたい。」と思うようになった。しかし、一人で死んでしまっては「移り代えが出来ないから死んだ」と言われるだろうと思うと、くやしくてたまらない。そこで、誰かと一緒に死ねば「心中」と浮名がたっていいと思いつき、馴染みの客の中から心中相手を探し始める。

できれば悲しむ親や女房子供のいない人、と探していくと、本屋の金三という男にたどりついた。
「この人なら身よりもないしちょうどいい。」
ということでさっそく「相談事がある」と手紙を書く。手紙をもらった金三は惚れた女からの相談事だということで、さっそくお染のところにやって来た。

やって来た金三にとりあえず金の話をするお染。
「四十両ないと、紋日を越せないんだよ。」
しかし、そんな大金、金三に用意できるはずもない。死ぬしかないというお染に、俺も一緒に死んでやると言ってしまう金三。
「ほんとかい?一緒に死んでおくれかい?」
さっそく今日、と言い出すお染にあわてる金三。すったもんだの末、明日の晩ということになる。
「お前さん、逃げたりしないよね?この世では一緒になれないけど、あの世で所帯を持とうよ。」

お染の言葉にすっかりその気になった金三。翌日は親方の所に暇乞いにやってきた。
「旅立つって、どこへ行くんだよ。」
「へえ、遠い所で・・・」
「いつ帰って来るんだよ」
「へえ、盆の十三日には・・・」
「なんだい。気味の悪いことを言うなよ。そういえばお前、お染とかいう花魁に入れ込んでるって?まさか心中なんか持ちかけられてるんじゃないだろうね?なんだい、何おろおろしてるんだい?」
金三の妙な様子にピンと来た親方。金三の懐に匕首(あいくち)を見つけて取り上げるが、金三には逃げられてしまった。

親方の所から逃げ出し、ようやっとお染のところにやってきた金三。とりあえず、この世の別れに、と威勢よく宴会をする。
さて、夜中になり、寝込んだ金三を起こすお染。
「あんた、死ぬ刻限だよ。」
しかし、匕首は親分に取られてしまった。お染が用意した合わせカミソリにびびる金三。
「そんなもので喉を切るなんて!縫うのが大変じゃないか!」
「あたしたち死ぬんだから、そんな心配する必要ないんだよ!」
結局2人で海に飛び込むことになり、お染は金三を引きずるように裏口から連れ出し、桟橋へ。
「さ、飛び込んでおくれよ。」
しかし金三はなかなか飛び込まない。そうこうするうちに誰かがやってくる気配がする。
「誰か来るよ!早く行っとくれ!」
お染は思い切り金三を突き飛ばした。不意を食らって、海へ落ちる金三。続いてお染も飛び込もうとしたが、廓の男につかまってしまう。
「お染さん!もう死ぬことないんだよ!番町の旦那が金持ってきたんだよ。昔馴染みのお染が困ってるのをほってはおけないって。」「え?本当に?でも、一人先に飛び込んじまったよ。」
しかし相手が金三だと聞いた男、
「金三なら身よりもないし、ほっておけばいいさ。俺は黙ってるよ。」
結局2人で黙っておくことにしてしまった。
「金さん、あんた、ほんとに間が悪い男だねえ。お金が出来ちゃったら死ぬことないからさ。迷わず成仏しておくれよ。」

溺れながらこのてんまつを聞いていた金三。死にたくないと手足を伸ばすと、足が底についた。品川の海は遠浅で、溺れるほどの深さではなかった。
「なんだこりゃ。膝までしかねえじゃないか。うえ、鼻からだぼはぜがでてきやがった!」
なんとか海から上がった金三、親方の家にやって来た。
親方の家では若い衆が賭け事の真っ最中。金三が戸口を叩くと、役人の手が入ったと勘違いして大慌て。
「明かりを消せ!」
みんなを落ち着かせ、兄貴分がとりあえず戸口へ出て見ると、そこにいたのは頭に怪我をして全身ずぶぬれになった金三だった。
「お、お前、本当に死んじまったのか?化けてでて・・・あ、足がある?自分だけ助かりやがったのか?」
「違うんだよ。俺だけ海に落とされたんだ。女は金が出来たって、飛び込まなくて・・・」
「情けねえ話だなあ。」
さて、家の中はひどい有様。あわくって梁の上に登ってしまった者、ぬかみそ桶に飛び込んでしまった者、厠に落っこちた者。
その中で、一人だけ泰然と座っていた者がいた。
「それ、伝兵衛さんを見てみろ。さすが元お武家様だ。あれぐらいでなくちゃいけねえよ。」
そこで座っていた伝兵衛が一言。
「いえ拙者、とうに腰が抜けております。」

と、ここまでが品川心中の前半。後半はドラマの中では「仕返しの話だが、暗くて笑えないから今では誰もやらない。」とだけ紹介されます。内容としては、金三がお染に仕返しするために幽霊に化けてお染を脅し、髪を切らせて坊主にしてしまうというお話。
サゲは、
「お前があんまり客を釣るもんだから、魚籠(ビク)にしてやった。」
というもの。魚を入れる魚籠と、比丘尼(女性の坊主)をかけたサゲです。

今回、高座で語るのは子竜こと竜二。うっかりネット心中ツアーに同行してしまっためぐみを助けに行くくだりを品川心中にかけて語ります。(どん兵衛師匠には「品川で落ち合うとこしか合ってないじゃないか!」と言われてしまいますが。)

「今や誰もやらない」はずの後半の話を実際にやってしまったのが虎児。組長の敵討ちのために銀次郎とウルフ商会に乗り込んであばれてしまいます。虎児がどん兵衛師匠からもらった「レロックス」の時計を腕からもぎとってしまうくだりが印象的でした。
どん兵衛が自分の名をついで欲しいといい、ジャンプ亭達が虎児を堅気にするために230万ものカンパを集めていたというのに、虎児はヤクザの世界の義理を立ててしまいます。それは、どん兵衛の所に弟子入りして、大事な人が出来てしまったからこその行動だったのかもしれませんね。

どうしても虎児の話に集中してしまって、竜二の話の方は印象が薄いですね。でも、虎児と竜二の分かれ道としてこういったダブル進行にしたのかなと思います。
「今なら自分の品川心中がやれる」そういって高座に上がる竜二はいよいよ落語の世界に戻ろうとしています。一方、虎児はヤクザとしてウルフ商会に乗り込んでいく。
この2人の明暗を品川心中の前半・後半に例えたのでしょうか。

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